クリシュナムルティ学友会について



 この学友会は文字通り、クリシュナムルティ(以下、Kと略称)の言葉を学ぶ友人の会合です。この会は、かつて大阪西天満で行っていたKの読書会、京都でのヴィデオを見る会(この読書会、ヴィデオ会は現在は終了しています)から始まっています。その参加者のうち数人が、1996年か97年からKの同人誌を造り、年四回季刊の形で各自の翻訳や文章を発表していました。ここに集まった者たちには或る程度、基本的な考えの一致があったように思われます − すなわち、Kの教えとブッダの教えをともに学んでいる。Kの教えに関しても、縁起、空、中道といった内容が、最も重要だと見ているといった一致であったようです。
 この同人誌は、各人の原稿を継ぎ合わせて、コピーしただけであり、名もない簡単なものでしたが、藤仲が編集、小早川が発送を分担して、数年間継続しました。その後、2002年に小早川のお力により、現在のホームページの形になりました(コピーでの同人誌も継続する予定でしたが、現在は休止中です)。それ以降、小早川、横山のKの翻訳、正田の仏典翻訳を順次掲載してきました。藤仲も永らく休止していましたが、旧稿を手直しして掲載することにしました。
 このホームページの原稿からは、2003年には小早川、藤仲の共訳としてKの 1982-83年のインドでの講話集 Mind without Measure の翻訳を、『知恵のめざめ−悲しみが花開いて終わるとき』(Unio)として出版しました。今年2005年にはまもなく、横山が翻訳した The Collected Works の第一巻を、『生の完全性−花のように生きる(仮題) 』(Unio)として出版する予定です。いずれも自費出版に近い形ですし、わずかなものですが、それなりの成果を残すことができました。正田も上座部仏教の研究者として、独自の著述活動を継続しております。
 読書会に関しては、大阪西天満の読書会は平成の始まった頃に始まり、2000年代になって終わりました。その時期から、京都駅前で月1回の割合で、おもに日曜の午後に行っています。今のところ3、4年ほど継続しています。現在はKのテキスト The Only Revolution の和訳を用いています(同書は『クリシュナムルティの瞑想録』平河出版社として和訳もありますが、それはかなり恣意的な翻訳なので、逐語訳を造って、それを用いています)。また読書会のある日の午前中には、ツォンカパの論書『未了義・了義の弁別 − 善説心髄』の和訳を読んでいます。きわめて高度な典籍ですし、出版された和訳にも少し問題があるので、訂正しながら用いています。さらにKと仏典に関するかなりの知識が必要ですが、仏典に対する唯識と中観の解釈を学び、それによりKの文章を整理していくという作業をしています。午後は上記のとおり、Kの文章を中心にしています。時間の余裕があるときには、仏典を読みます。以前は『金剛般若経』を岩波文庫本を用いて読みました。それが終わったので、現在は断続的に『宝徳蔵般若経』(『八千頌般若経』のダイジェスト版)を読んでいます。午前中の参加者は藤仲、小早川と三木治子氏の三人です。午後はさらに一人二人参加されるという形が多いようです。
 読書会の日時と場所については、毎月の読書会で来月の予定を決めています。参加を希望される方はご連絡いただけるなら、お知らせします。

2005年7月9日 


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